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ジーザス
あぁ神様。できることならば私に教えてください。
あの麦藁頭にはいったいなにが詰まっているのかを。
初めて会ったときから、妙に人懐っこくて。
最初は買い物につきあってくれと誘われた。
はいと渡されたペアリングの片割れは、なぜか私の指にぴったりとおさまった。
次に、飯でも食おうと誘われた。レストランかと思ったらあいつの家に連れていかれ、大きな肉と山盛りのサラダとふかふかの白いパン。味付けはおおざっぱだが、肉はカリカリで汁気があってよく焼けていた。
そして今日。休日だからと連れて行かれたあいつの家で、いつも通りの簡単な夕食の後ぼんやりしていると一緒に風呂に入ろうと誘われた。バスルームで、バスソープが私の愛用の台所洗剤と同じ香りだと言ったらあいつはぶくぶくと泡のなかに沈んでいった。精一杯の讃辞のつもりだったのだがなにがいけなかったのだろう。
そして、今。あいつはベッドの中からおいでおいでと手招きをしている。本当に何を考えているのかよくわからない。
わからないが、あいつのベッドは暖かいから好きだ。
ヘイ神様。頼むから教えてくれよ
あのネンネで危険な世間知らずに愛だの恋だのってやつを。