リサがハイネル宅に転がり込んで更に数ヶ月。
まだ眠い目をこすりながらとんとんと階段を下りる。今日は二人はそろってファクトリー仕事のはずだ。
さすがにまたいちゃついている心配はない(はず)。
が、降りた場所では ・・やはりまた(何かが)出来上がって・・いなかった。
「だからフライドエッグには、かりかりベーコンだってば!」
「いや、軽く温めたハムをそのままそえるに限る。大体、両面焼きなどというものは邪道だ!」
「ちっちっちっ、わかってねーな、白身がぱりぱりにやけた部分が食欲をそそるんだよ!」
「白身部分の緩さを味わってこそ目玉焼きだ!」
キッチンの真ん中で卵とフライパンを手にもめる大の大男二人。
フランツ・ハイネル25才。 料理が趣味で腕前はいわずもがな。素材から盛りつけまで妥協は許さない。
ジャッキー・グーデリアン24才。 「料理のできる男はモテル」と母姉妹におだてられ、簡単な料理ならばかなりの腕前を誇る。
この二人、単品であれば申し分ない朝食にありつけるのだが、たまに二人が寄ると必ず問題が起きる。
リサはため息をつくとハイネルからターナーを、グーデリアンからフライパンを取り上げた。
「あのね、なんでもいいけど遅刻するから。私が作るから。」
リサ・ハイネル18才。実は 器用な兄とその恋人のおかげで料理に全く興味無し。
たまに作る何かは芸術的なものすら感じる。
「あ、いや、すぐできる。な?。グーデリアン、卵を割ってくれ。」
「あ、うん、ごめんごめん、1分でできるからね!。バターどこかな!?」
途端に かいがいしく働きだす二人。
リサはオレンジジュースをコップに注ぎながら、あきれた顔で時計を見た。
これは今日も遅刻だなと思いながら。
ブラウザのバックで(以下省略)・・