セクシャルハラスメント 
 
10回大会が終了し、引退を表明してからしばらく。
 今日はチームがはじめて全員で集まる日。
ハイネルはメンバーが集まる会議室のドアを前に、感慨ひとしおだった。
 
 思えば今まで長かった。
10歳を過ぎ、 なんとなく実家にいる事を負担に感じて、寄宿制の学校に入ったはいいものの、
 いきなりあちこちから愛だの好きだのの告白の嵐(不運なことに相手はもれなく同性だった) 
 
その後、そんな生活が飛びに飛んで 親の七光りだといわれつつもレースに参戦してみたが、
 こちらでも「かわいいねぇ」だのなんだのと尻を触りにくるオーナーやら監督やら。
曖昧に笑いながらかわしつつも、ハイネルはこの女性が半分を占める世の中になぜそんなに
男の尻好きが多いのかと、思わず天に向かって悪態すらついた。
 
だが、そんな、まさしくジャングルのような世界とはもうおさらばだ。 
 私は一国一城の主になったのだ。
 (親会社はあるが、そちらは実際「親」なので気にしてはいない)
これで私は余計なことに悩まされること無く、歴史にを刻むのだ。
おまけにウェアはひざ下までしっかり着込んでいるから対策は万全だ。
これで今後、尻を触らせることは一切ない!
「おはよう!」 
ノブをひき、明るい声で挨拶をしたその時。
 
「相変わらずいいケツしてるねおじょうさーん」
いきなりぺろんと撫でられた。
後ろを振り返るとそこには・・にやけた奴の顔が!
「グーデリアーーーーーン、きさまというやつはーーーーっ!」
「いやぁ、だって、そんなそそるカッコしてるしぃ。もしかして、ミーを誘ってるぅ?」
「貴様ぁ・・!」
 
―――――つかみ合う二人、そして止めるスタッフ。
こうしてシュトロゼックプロジェクトは幕を開けた。
ハイネルの当面の目的が達成されたかどうかは定かではないが、エキシビジョンにおいては、
団結力と瞬発力では類を見ないチームとして歴史に名を残したのは事実である。
 
 
 
推敲ってなんだ・・
ブラウザのバックで(以下省略)・・